中国で全国人民代表大会(全人代)が開かれている。習近平国家主席への権力集中が進むなか、内政や政治・経済の問題など中国が抱える課題はなにか。 最近、習主席と折り合いが悪いといわれている李克強首相が打ち出した経済政策が話題になっている。その中身は規制緩和、減税、インフラ投資、軍事費増大である。習主席の最近の主張に沿って、経済政策に取り入れたものとみられる。 このうち、短期的な効果は減税とインフラ投資、軍事費増大というケインズ政策にかかっている。 一方、今年の成長目標については、「6・5%前後」と昨年からわずかに引き下げた。中国の場合、国内総生産(GDP)統計は、まるで操作対象であるかように微調整をされているようだ。最近はGDP目標を「きれいに」毎年引き下げ、実際の統計結果も目標に従って下がっている。 ケインズ政策はこのGDP管理にも貢献し、今年も予定通りの経済成長率になる公算が大きい。もっとも