オレゴン州育ちのマット・フラナリー(30)は、子供のころから起業家をめざしていた。「いかれたとっぴなアイデアをいつも思いついていた」というフラナリーは、毎日一つ新奇なアイデアをひねり出すというノルマを自分に課していたこともあるという。 そんなフラナリーが自分の天職に出合ったのは03年。当時は婚約中だった今の妻ジェシカに説得され、アフリカを訪れたときだ。 ジェシカは東アフリカの小規模な起業家に融資や助成を行うプロジェクトにかかわっていた。もともと教会などを通じてアフリカの子供たちを財政支援する活動をしていた縁で、アフリカに関心があった2人は、1カ月間の旅行中に農村部の起業家に出会い、彼らを応援したいと考えるようになった。 とりわけ印象深かったのは、ウガンダの村で魚を売っていたエリザベス・オマラとの出会いだ。オマラは、村から2時間ほどのビクトリア湖で捕れた魚を仲買人から仕入れていた。そのため儲