青森県に所在する陸上自衛隊の部隊は毎年、八甲田山の裾野で冬季演習を行っています。これは戦技の向上を図るだけでなく、120年ほど前に起きた旧陸軍の大量遭難事件の慰霊も兼ねているそう。今回、密着取材してきました。 120年ほど前に起きた悲劇の大量遭難事故 2024年2月1日、青森県にある八甲田山の裾野で、陸上自衛隊第9師団の第5普通科連隊による「八甲田演習」が行われました。 この演習は、冬季における戦技(戦闘技術)の向上と、あらゆる地形・気象を克服して任務を完遂するための精神を養うために毎年行われている、いわば恒例の訓練ですが、映画や小説にもなった「八甲田山雪中行軍遭難事件」の犠牲者に対する慰霊、そして遺訓を学ぶ機会としても捉えられています。 この事件は日露戦争直前の1902(明治35)年1月、当時、青森市に所在していた旧日本陸軍の歩兵第5連隊を襲った惨劇です。この雪中行軍には210名の将兵が