もう同情の余地はない 批判を受けるたびに軌道修正を繰り返しつつ、新安保3文書の閣議決定など実績をつくってきたと自負する岸田政権だが、支持率の低迷が続く。自民党内の一部からは「意外にやっている」「ちゃんとやっている」という声も上がるが、実態はどうなっているのだろうか。岸田首相は、なぜ評価が低いのだろうか。いくつかの観点から明らかにしていきたい。 まず、岸田首相の資質についてだ。 安倍晋三元首相は、政敵関係にあった小池百合子東京都知事を評して、「彼女を支えている原動力は、上昇志向だと思いますよ。誰だって上昇志向を持つことは大切です。でも、上昇して何をするのかが、彼女の場合、見えてこない。上昇すること自体が目的になってしまっているんじゃないかな。上昇する過程では、小池さんは関係者を徹底的に追い落としてきましたね」(『安倍晋三 回顧録』)としている。あるときは一緒になって政権を運営していた人物が、