名古屋・錦の長者町通の繊維問屋などでつくる「名古屋長者町協同組合」が来年3月に解散し、73年の歴史に幕を下ろす。戦後復興を支えてきた繊維産業のシンボル「長者町繊維街」のアーチ看板も3月までに撤去する。 長者町通には戦後、近郊の工場からメリヤスの肌着を仕入れる業者が集まり繊維街が誕生。愛知、岐阜にまたがる尾州の繊維業界が「ガチャマン」と呼ばれる好景気を迎える中、1951年に前身の「名古屋長者町織物協同組合」が設立された。組合は小売店向けの共同販売会のほか、職住一体の卸売業者向けに給食事業などを手がけてきた。 バブル経済崩壊後、海外で生産して安価で販売する量販店が増加し、繊維卸売業者は苦境に。55年ごろに100社近くあった組合員数は、89年に78社を維持していたものの、2023年は17社にとどまり、8月の役員会で解散を決めた。組合の滝一之理事長(67)は「店によって客層やターゲットが異なり、組