財務省で、香川俊介事務次官の後任に田中一穂主計局長が就く人事が決まった。3代続けて同期から次官が誕生することで話題となっている。 マスコミの感覚は、財務事務次官は財務省のトップ、予算編成などの権限を握っている-という認識だろう。実態としては当たっているが、形式的には財務事務次官は財務省のトップではない。財務省幹部名簿を見ると、一番上が大臣、次が副大臣、その次が大臣政務官、その次が事務次官となっていて、トップではなく、ナンバー4である。ところが、事務次官のほうがみんなエラいと思っている。 大臣、副大臣、大臣政務官は政治家なので、財務官僚にとっては、いずれどこかに行く「お客さま」だが、事務次官は生え抜きでズーっと関係が続く「身内」の人だ。 ナンバー4の人事では記事にならないはずだが、事実上「トップ」と思われているからこそ記事になるわけで、政治家はもっと存在感を出さないとまずいともいえる。 たし