前々から受講したかった灘大学に今季ようやく申し込む事が出来た。さっそく初回の講義では、当地で創業90年になる萩原珈琲さんの歴史を学ぶ。今まで知らなかったのだが、会場である原田資料館の近くには大正13年からの歴史ある和田市場がかつて存在して、萩原珈琲はそこから始まったのだという。会社沿革を見ると当時の所在地は武庫郡西灘村字原田620。質疑応答の時間になるとかつて和田市場に暮らしていたという年輩の方が挙手をされて、先代先々代がいた頃の市場の様子をありありと語っておられた。 なくなった市場について話す。もしかすると、神戸に暮らしている限り、いつか自分もそのような立場になるのかもしれない。そんな事を考えながらの帰り道、駅近くの交差点のあたりで突然、女性の悲鳴が聞こえたのだった。 これは何事かと思い周りを見渡すと、視界に入ったのは犬のリードを持って呆然とする女性と、少し離れた場所にはリードが外れた状