「ITパーソンは情報参謀たれ」。経営コンサルタントの松平和也氏(プライド取締役)はこう主張し,ITパーソンの代表でもあるCIO(情報統括責任者)の新たな役割を説く。開発や運用などを主体業務とするIT部門ではなく,競合会社のIT活用の現状などを分析して,社長に直接報告するのがCIOだという。 もちろんCIOの役割や位置付けは企業ごとに異なる。ITを投資と見るのか,コストと見るのかによって,大きく変わる。CIOが直接報告する相手が社長の場合もあるだろうし,財務担当役員だったり,あるいは別の役員だったりするかもしれない。ただ,日本企業では社長に直接報告するCIOは少ない。多くの企業が,ITをコストと見ているからだろう。 ユーザー企業にIT化を提案する大手ITベンダーも同じような状況だ。「情報を軽んじていることもあるし,情報が社長にうまく伝わっていないこともある」(松平氏)。その根底には,それぞれ