拙著『「馬」が動かした日本史』(文春新書)を、「本の雑誌」の創刊メンバーで評論家の北上次郎(目黒考二)氏に紹介していただきました。 www.nikkan-gendai.com「 「日本は『草原の国』であったという指摘が新鮮だ」という書き出しで、<なぜ、日本列島には、相当に広い草原エリアがあったのか>という本書の主要テーマのひとつを話題にしていただいています。 それは火山の国であったからだ。 火山のまわりに草原ができやすいのは、巨大な噴火によって火砕流、溶岩がちらばり、その上に土が堆積しても他の場所に比べて土壌の厚さが不足しているので、樹木が根を張り、十分な水分、栄養分を得ることは難しい。 その結果、生まれるのが「黒ボク土」で(厳密には火山灰に由来しない黒ボク土もあるようだが)、農地には適さない草原となる。 こうした日本列島の草原的環境にもっとも適した野生動物のひとつが鹿であり、5世紀ごろ日