本田技術研究所本社(「Wikipedia」より/ウェルワィ) ホンダが創業者の本田宗一郎氏のこだわりを捨て去る組織改革に乗り出す。ホンダは4月1日付けで、本田技術研究所が手がけている市販用四輪車の開発部門をホンダ本体に移管することを決めた。しがらみのない技術研究所で自動車開発に専念できることが、技術でライバルをリードするホンダの競争力の源泉だったはずだが、あっさりとその看板を下ろす。しかも「社員の多くがもっとも軽蔑するトヨタ自動車」(ホンダ社員)と似たような戦略を相次いで打ち出している。普通の自動車メーカーになるホンダに明日はあるのか。 「成功は99%の失敗に支えられた1%だ」 技術一筋で静岡県の町工場を世界的な自動車メーカーへと成長させたホンダ創業者である本田氏は、自動車メーカーにとって研究開発力がすべてと考え、1960年に研究開発部門を分離・独立させて本田技術研究所を創設した。以来、現