米国で印象に残ったのは、韓国人のパワフルさだ。北バージニアに住む韓国人は、人口の3%近くを占める。日本人の多くが駐在員家族で、数年で帰国するのに対し、韓国人には永住を決意し、一族で渡ってきた人も少なくない。 韓国系スーパーは地元米国人にも大人気。飲食店などにも大勢の韓国人が働く。米国社会に根を下ろし、たくましく生きるエネルギーには驚くと同時に、感心した。 私が通った英語学校にも、韓国人は多かった。彼らも英語には苦労し、ヘタ同士で「ヨン様知ってる?」などと交流を深めた。日韓で問題が起きると、熱い議論を挑まれたのも懐かしい思い出だ。 そんなころ、「キロギ」という言葉を新聞で知った。雁(がん)を意味する韓国語だが、実はもう一つ、妻子は英語圏の国に、父は韓国にと、離れて暮らす家族のことも指す。渡り鳥のように家族と韓国の間を往復する父親は、「キロギ・アッパ(雁の父)」と呼ばれる。 今年1月9日のワシ