トレヴァー・ホーンが妻のジル・シンクレア、ポール・モーリィと設立したZTTレーベルの第1弾アーティスト、アート・オブ・ノイズの登場は衝撃的だった。バグルズ「ラジオスターの悲劇」ヒット後、メンバーに誘われて、トレヴァーとジェフ・ダウンズの2人はイエスに加入。脱退したジョン・アンダーソン、リック・ウェイクマンの後任を務め『ドラマ』(80年)は傑作として完成するが、ツアーで古参信者からバッシングに遭い、トレヴァーは精神的に大きな痛手を負う。裏方に回って早々、プロデュースしたイエス「ロンリー・ハート」(83年)が初の全米1位のヒット。確かな手応えを感じたトレヴァーは自らのレーベルを立ち上げ、その第1の刺客として送り込んだのがアート・オブ・ノイズだった。イエス録音時には、すでにフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド『プレジャー・ドーム』の録音は並行して行われており、番狂わせの先行デビューとなったが、彼