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映像は黒塗りされる必要があったのか? 吉開菜央が語る「表現を規制すること」NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]で2018年から約1年間行われた展覧会「オープン・スペース 2018 イン・トランジション」。本展の出品作のひとつである吉開菜央の映像作品《Grand Bouquet/いま いちばん美しいあなたたちへ》の一部シーンが会期中、黒く塗りつぶされたかたちで上映されていたことが、吉開の手記によって明らかにされた。なぜ該当シーンは黒塗りにされたのか。その経緯をたどるとともに、吉開とICCに話を聞いた。 吉開菜央《Grand Bouquet/いま いちばん美しいあなたたちへ》(2018)より 今年3月、アーティストの吉開菜央が自身のウェブサイト上で「NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]での展示のこと」と題した手記を発表した。「時間が経って、展示も終わり、自分が
NTT東日本が運営する施設で行われた展覧会で、出展作品の一部が黒塗りにされた騒動で、美術評論家連盟は2019年5月27日、同社に公開質問状を提出した。 質問状では、NTT東の黒塗り対応を「著作権及び表現の自立性への侵害ないし損傷に当たる」と抗議し、経緯の説明などを求めた。 「会社の責任逃れのために公開中止を示唆してきた」 NTT東が運営する文化施設「NTTインターコミュニケーション・センター」(ICC、東京・新宿)で18年6月~19年3月の期間、アート作品の展覧会が行われた。 「黒塗り」騒動は、出展者である映像作家・吉開(よしがい)菜央さん(31)が展覧会終了後の3月14日、自身の映像作品「Grand Bouquet/いま いちばん美しいあなたたちへ」の一部シーンが黒塗りされたと公式サイトで明かし、広がった。 公式サイトによれば、吉開さんは学芸員から、指が折れる表現などについて「NTT東日
Yanobe said his Sun Child, which was installed by the municipal government after appearing at art exhibitions in Japan and overseas, was intended to express his desire for a nuclear-free world. The artist said he did not mean to give the impression that local children needed to protect themselves from radiation more than seven years after the Fukushima Daiichi plant became the scene of the world’s
「ドザえもん」不適切? 福岡市のアートイベント 市民の指摘で作品名を黒塗り ネットで話題に 2018/5/8 12:30 (2022/12/8 12:13 更新) [有料会員限定記事]
「検閲」に揺れた2017年。ニューヨークのアートシーンを振り返る2017年1月のトランプ政権発足後、アメリカでは人種・文化・宗教・ジェンダーを巡る衝突がより顕在化し、異なる意見を受け入れる寛容さが急速に失われつつある。アートの世界では「検閲」というかたちで、この状況を目にすることが多くなった。本記事では、「検閲」という観点から、2017年ニューヨークで論議を呼んだ展示を振り返る。 文=國上直子 ペン・ユー、スン・ユアン ドッグス・ザット・キャンノット・タッチ・イーチ・アザー 2003 Courtesy of Peng Yu and Sun Yuan 既にウェブ版「美術手帖」では、ホイットニー・バイエニアルで展示されたダナ・シュッツの作品に関する問題と、メトロポリタン美術館に常設されるバルテュスの絵に対する抗議活動をレポートしたが、今年「検閲」の対象となったのはこれらの展示だけではなかった。
武居 利史 6月23日 23:47 · 今日はとんでもないことが起きた。昨年から準備してきた展示に上の方からクレームがついたのである。中止の可能性も含めて再検討せよ、ということだそうだ。新海覚雄(1904‐68)という画家を常設展示室を使って展示する夏の間の小企画である。6月初めにはマスコミにプレスリリースも送っているし、ホームページにも情報は公開、明日にはちらしも刷り上がってくる予定になっていたのに、なぜこのタイミングで圧力をかけてくるのか理解に苦しむ。理由は「内容が偏っているので公立美術館にふさわしくない」ということらしい。半世紀も前に亡くなった画家の作品を展示するだけなのに、どこがどう偏っているのか説明を求めても納得のいく説明はない。これから対応を考えなければならないが、すでにオープンにしている以上、変更するにはそれ相応の理由が必要だと思う。 府中市美術館常設展特集・府中市平和都市宣
1万人が署名。バルテュスの《夢見るテレーズ》は撤去されるべきか? メトロポリタン美術館は拒否ニューヨークのメトロポリタン美術館に展示されているバルテュスの《夢見るテレーズ》。この作品を巡り、ネット上で撤去要請の運動が巻き起こっている。 文=國上直子 バルテュス《夢見るテレーズ》(1938)のメトロポリタン美術館での展示風景 ニューヨークでは、メトロポリタン美術館が保有するバルテュスの《夢見るテレーズ》(1938)の展示を巡る問題が話題になっている。 この作品は、バルテュスの近所に住んでいたテレーズという少女をモデルにしている。この絵が描かれた当時、テレーズは12歳から13歳であった。リラックスしたポーズで目を瞑るテレーズ。そのかたわら、彼女の下着が露わになっている。バルテュスは1936年から39年の間に、彼女と彼女の弟を題材に11作品を手がけており、テレーズはバルテュスのお気に入りのモデル
朝鮮人追悼碑モチーフの作品、指導で解体撤去 群馬 群馬県立近代美術館で22日から展示予定だった、県内の「朝鮮人犠牲者追悼碑」をモチーフにした造形作品が、同館の指導で解体撤去されたことがわかった。追悼碑をめぐっては、存廃が法廷で争われている。同館は「県は碑の存廃をめぐる裁判の当事者。存否の両論を展示内容で提示できない以上、適さないと判断した」としている。 撤去されたのは、前橋市の作家白川昌生さんの作品「群馬県朝鮮人強制連行追悼碑」。布を使って追悼碑を表現した直径5メートル、高さ4メートルほどの作品で、同県在住の芸術家の作品を集めた展示の一つに予定されていた。同館と白川さんによると、同館幹部らが21日夕、展示前の最終点検で不適と判断。白川さんと修正を模索したが、最終的に同館側が撤去を求めたという。 碑は、戦時中に動員・徴用され、建設現場などで働いて死亡した朝鮮人らを追悼する目的で、市民団
露モスクワのルミエール・ブラザーズ・ギャラリーで、ジョック・スタージス氏の作品の前に立つ活動家と警官(2016年9月25日撮影)。(c)AFP/AFPTV/Andrey BORODULIN Anna Malpas 【9月26日 AFP】10代の若者とその家族をモデルにしたヌード写真で有名な米写真家のジョック・スタージス(Jock Sturges)氏がロシア・モスクワ(Moscow)で開催していた写真展で25日、露政府を支持する活動家らが作品に尿をかけ、展覧会を閉鎖に追い込んだ。同氏の写真をめぐってはこの前日、政府顧問の一人が「チャイルドポルノ」だと非難していた。 ギャラリー館長のナタリア・リトビンスカヤ(Natalia Litvinskaya)氏は報道陣に対し、写真展「ジョック・スタージス:アブセンス・オブ・シェーム(恥の欠如)」は「小児性愛とは全く関係ない」が、「完全に妄想に取りつかれた
前書き 美術について、公的・私的の主体の別を問わず様々な主体からの規制、またアーティストや展示実施機関による自粛、外部からの政治的・倫理的な抗議や、法的・経済的な制裁が行われるケースがあることは知られています。私自身もArts and Lawや文化機関での仕事で関わった中で様々な出来事がありました。しかし、こうしたケースがメディアなどを通じて表沙汰になるのはほんの氷山の一角で、多くは表沙汰にされることなく時間が経過していきます。 関係者のメンツやプライバシー、守秘義務にも関わることであり、表に出てこないものについて掘り出すには、丁寧に踏み込んで取材をしていくしかありません。それには個々の事例についてより深く詳細に、背景を含めて多角的に検討する必要があると考えます。例えば美術館を巡る規制や政治については、国内でも個々のケースを丹念に取り上げた書籍は何冊かあります。例えば橋本啓子の『水と土の新
鷹野隆大、変更後の展示風景(愛知県美術館) 8月1日から名古屋市の愛知県美術館で開催されている「これからの写真」展で、12日、写真家・鷹野隆大さんの写真が、わいせつ物の陳列にあたるとして愛知県警が同美術館に撤去を求め、13日から作品の展示に関して半透明の紙で覆うなど変更を行ったことが報道された。webDICEでは鷹野さんに展示変更の経緯について、そして昨今議論となっている芸術とわいせつの関連についてメールでコメントを求めた。今回は、展示変更となった会場の写真とともに、その内容を掲載する。 今回の展覧会にあたり、鷹野さんのブースは布で区切り、入口に監視員を置き、観覧制限をしていたという。 ■今回の展示変更の経緯について 匿名の通報を受け、今週火曜日(8月12日)に県警の担当官が現場を確認のうえ、法に触れると判断。このまま続ければ検挙せざるを得ないと伝えられる(芸術性の判断が不可能な以上、陰茎
愛知県美術館(名古屋市東区)で開催中の企画展「これからの写真」(9月28日まで)に展示している写真家・鷹野隆大氏の作品12点が、わいせつ物陳列罪にあたる可能性があるとして愛知県警が作品の撤去を求めていたことが分かった。 問題とされたのは鷹野氏が出品している50点のうち、男性の局部が映っている12点。会場は県立美術館で公共性はあるものの、展示スペースはほかの作品とはカーテンで仕切られ、係員も配置。入り口には「男性器を含む裸体写真の展示があります」と案内し「了解した方だけ入場してください。中学生以下は入場できません」とアナウンスしていた。 美術館スタッフによると「我々は作品を『わいせつな物』と考えていない。警察の撤去命令に従えば、わいせつ物と認めたことになる。作品をひっこめて問題を覆い隠すのではなく、警察の指導があったと分かるような新たな展示を作るという発想で、局部を半透明の布で覆いました」。
ヴィトン社抗議で撤去 「バッタもん」再展示(1/3ページ)2010年10月4日11時42分 問題になった「バッタもん」=岡本光博さん提供 タノタイガさんの木彫りの作品「モノグラムラインシリーズ」。ロゴマークを隠して展示した=タノタイガさん提供 高級ブランド、ルイ・ヴィトン社の抗議で5月に美術館から撤去されたアート作品「バッタもん」が、11月に復活展示される。「撤去の是非も含めて問題提起をしたい」と作者らが展覧会を企画した。この「騒動」は、近年接近する高級ブランドと現代アートの微妙な距離感も映している。 ◆オリジナルとコピーの関係考える 「バッタもん」は、欧米の高級ブランド5社のロゴマークや柄が入った生地でバッタをかたどった約40センチの立体作品。今春、神戸市の神戸ファッション美術館が企画した展覧会で9点展示された。 だが、ルイ・ヴィトンの日本法人が「登録商標権を侵害するコピー品で作られてい
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