フェチズムから原発まで、会田誠は20年以上にもなるキャリアの中、社会における様々な課題を題材にしてきた。2012年11月17日(土)に開幕した個展『天才でごめんなさい』には、挑発的な要素が豊富に含まれている。手始めとしては、まず、展覧会のタイトルだ。英語タイトルは、作品のシリーズ名に由来するが、日本語のタイトルは「天才でごめんないさい」になっている。そして、展示スペースには、7メーターのキャンバスにたくさんのサラリーマンが積まれた巨大な山を描いた作品や、腕と足が切断され、首輪が付けられた思春期の少女が描かれている『犬』シリーズの作品などが次々に登場する。 会田は、実に様々なテクニックを使い作品を作っている。『戦争画RETURNS』シリーズでは、戦時中、戦意高揚のために働いた画家たちが国粋主義的を受け入れつつも、同時に覆していたような感情を表現するために、古い襖に意図的に粗い質感の絵を描いて