ジャンボししとうとの出会いはスーパーの見切り品コーナーで6本50円で売られていたときだった。ピーマンのような色と質感と大きさをしていながらあきらかにピーマンとは違う形をしたそれを、目の前の老夫婦は一度は手にとって「なんだこれ」と言ってそっとカゴに戻した。僕はといえばサボっていた自炊を再開させようと思っていて、ちょうど猛烈に秋刀魚を食べたくなっていたので、秋刀魚のサイドメニューとして何か作れないかと思って、とにかく他の野菜と比べて安かったのもあって買った。 持ち帰ってみるとあまりの大きさに、とてもこれをサイドメニューにして消費することはできないと尻込みしてしまった。その日は他にサラダを買っていたりしたのもあって、ジャンボししとうが食卓にのぼることはなかった。そっと冷蔵庫にしまわれた。 ちなみにこの日の秋刀魚のレシピは、このレシピ本の表紙になっているもの。 ケンタロウの和食 ムズカシイことぬき