小室哲哉は、間違いなく「時代」というものを体現していた。 音楽がカルチャーのど真ん中にあった90年代。その時に彼が生んだ数々の輝きは、決して色褪せたり消え去ったりするものではなく、時を経ても人々の記憶に残り続けるものだった。 ちょっと大袈裟な言い方になってしまったが、先日、そう改めて実感する体験があった。7月18日に放送された『2016 FNSうたの夏まつり』(フジテレビ系)で「小室哲哉90年代スーパーヒットメドレー」と題したコラボ&カバー企画を目の当たりにしたとき。キーボードを弾く小室哲哉と共にTRFや華原朋美、そして水樹奈々や島袋寛子など数々の歌手が入れ替わり登場して歌った8曲は、11時間の生放送の中でもハイライトの一つと言えるような盛り上がりだった。 筆者はその日、FOD(フジテレビオンデマンド)の番組『心のベストテン』の特別企画でスタジオからの裏実況を担当していた。その企画の中で演