日本で用いられている抗がん剤の一部に、効果が疑わしいとして米国で承認撤回されたものが存在しているという研究結果が発表された。米国臨床薬理学会の国際誌Clinical and Translational Science誌に掲載されている。研究に携わったエバーハルト・カール大学テュービンゲン研究員の秤谷隼世さんは「がん治療においては『迅速承認制度』という特別な医薬品承認の枠組みがある。日本には、この制度で承認された医薬品を撤退する仕組みがないことが問題だ」という――。 【図表をみる】米国で撤退を受けたにもかかわらず、日本で承認されている医薬品 ■「迅速承認制度」という医薬品承認の枠組み 読者のみなさん、はじめまして。ドイツでRNA創薬研究に従事する秤谷隼世と申します。 突然ですが、日本で用いられている抗がん剤の一部に、効果が不十分ですでに米国で承認撤回されているものが存在していると聞いたら驚く