民主党の最重要公約、最低保障年金案が野田佳彦政権を直撃している。本誌報道で創設に巨額の追加財源・消費税大幅引き上げが必要なことが分かったためだ。首相は厚生労働省の試算公表を拒むが、政権と社会保障と税の一体改革まで揺らぎ始めた。
民主党の最重要公約、最低保障年金案が野田佳彦政権を直撃している。本誌報道で創設に巨額の追加財源・消費税大幅引き上げが必要なことが分かったためだ。首相は厚生労働省の試算公表を拒むが、政権と社会保障と税の一体改革まで揺らぎ始めた。
古賀問題と税外収入の共通項 一見、何の関係もなさそうな2つの出来事はしかし、その底で太い地下茎を成しているのではないか。「公務員制度改革はほどほどに留めておく」、あるいは「大改革などとてもできない」という暗黙の意図である。 政府は今年6月、一般職の国家公務員給与を2013年度末まで平均で7.8%引き下げる給与引き下げ法案と、国家公務員に給与の労使交渉などを行う協約締結権を与える関連法案を国会に提出。公務員制度改革に力を入れる形は作った。 だが、自民党などの反対で審議入りもできず継続審議で塩漬けになったまま。6000億円は、法案が通過した場合に年間3000億円の削減になる分(×2年)を先取りしたものだ。まるで絵に描いた餅のようだが、うがって言えば、それでも法案を通過させて復興財源を確保しようとする姿勢を示そうとしたようにも映る。 しかし、これまでの民主党政権の公務員制度改革に対する動きを眺め
「安かろう悪かろう、なんじゃないか」。ダイハツ工業が新設計の低燃費・低価格の軽自動車「イース」構想を発表してから、ライバルメーカーは半信半疑の目を向けてきた。 無理も無い。「ガソリン1リットル当たり30kmの低燃費と最低価格80万円以下を実現する」。軽量の軽自動車とはいえ、あまりにチャレンジングな目標に見えた。 ところが、ダイハツは公約を実現した。9月20日に「ミラ イース」と名付けて発売した新型車の価格は79万5000円から。燃費も実際の走行時に近いとされるJC08モードで計測して1リットルあたり30kmを達成した。馬場建二専務執行役員・営業本部長は「初年度12万台の販売目標を掲げているが、道筋は見えた」と手応えを語る。 1リットル当たり30kmと聞いても、実感がわかない人も多いだろうから、エコカーの代表的な存在であるハイブリッド車と比べて見よう。トヨタ自動車の「プリウス」は1リットル当
野田佳彦氏が8月29日、民主党の新代表に就任した。引き続き30日には、国会で首班指名を受けた。日経ビジネスオンラインが実施した調査「次期首相には誰がふさわしいか」における野田氏の順位は前原誠司氏、小沢一郎氏、馬淵澄夫氏に次ぐ4位。野田氏の代表選勝利と首相就任を「意外」に思った読者が多いのではないだろうか。 その野田氏は、どのような人物なのか? 政治を意識したのは3歳の時のこと。非常に早熟だ。当時、社会党の委員長だった浅沼稲次郎氏が刺殺された事件のニュースを見て、「なぜ殺されたの?」と母親に尋ねた。保育園に通うようになって、ケネディ米大統領の暗殺事件を知った。幼少期の野田氏にとって「政治はいのちがけでやるもの」「政治は怖いもの」だった。 大学を卒業した後、ジャーナリスト志望だった野田氏は松下政経塾に「ふと」応募し、幸之助塾長の薫陶を受ける。その内容は、野田氏がnikkeiBPnetに寄稿した
昨年記者が結婚した時、両親が金の腕輪と首飾りを持たせてくれた。母親が結婚した時に持参したものだそうだ。滅多に見ない、鈍い光を放つ宝飾品を目にしながら「我が家にもこんな埋蔵金があったのか」と驚いた。 結婚や子供の誕生など、人生の節目に金を贈る習慣は日本ではあまり聞かないが世界では数多い。スイスでは、生まれたばかりの子供に金貨を握らせるとその子は一生豊かに暮らせるという言い伝えがあり、子供の誕生日に金貨を贈る習慣がある。金貨は子供が結婚するときに「もしも生活に困ることがあったら金を売ってやりくりしなさい」と持たせるそうだ。 金は紙幣とは違って何十年、何百年経っても価値がなくなることはない。高い価値保存能力があり、世界中で換金できる。これから長く続くであろう結婚生活を機に「永遠に変わらないもの」を持っておく習慣は、ご先祖様が編み出した人生の知恵ともいえる。 世界と逆行する日本 今、日本ではちょっ
6月半ば、韓国に出張しサムスン電子を取材する機会に恵まれた。日本サムスンの好意を得て、3日間で半導体部門、液晶パネル部門、携帯端末部門などを回ることができた。 帰国後、急いでまとめたのが「日経ビジネス」6月27日号の「快進撃止まり、正念場」の記事である。そのタイトル通り、サムスン電子は今、業績悪化に苦しんでいる。 昨年までの威勢はどこへ… 筆者にとって韓国でのサムスン電子取材は昨年3月に続き2回目だった。昨年は同社の業績は絶好調で、2010年1~3月期の連結営業利益は4兆4100億ウォン(約3307億5000万円)と、過去最高を達成。現地で会った「サムスンマン」たちは皆、自信をみなぎらせていた。 それから1年余り。2011年1~3月期の連結営業利益は、前年同期比33%減の2兆9500億ウォン(約2212億5000万円)にとどまった。4~6月期の連結営業利益も前年同期比26%減の3兆7000
1月27日、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が日本国債の格下げに踏み切った。「債務問題に対する一貫した戦略が欠けている」ことが引き下げの根拠だ。経済活動が停滞し、政府債務残高が膨張し続ける中で、財政再建の目途が立たない日本への警告である。 ところが、政治家の中には、財政危機を楽観視したり、そもそも国家の存続にかかる問題だと認識していない人も多いのが実情だ。今こそ財政再建への道筋を示す必要がある。それが政治の責任であると考える。 「任期中に財政危機が来る」 2010年7月の参議院選挙に私は出させてもらった。 想定を超えた逆風の中であったが、「菅総理が消費税増税を掲げ続けて勝てたら歴史的な選挙になる」との思いで、税金の無駄遣いを徹底的になくし、経済を成長路線にしたうえで消費税増税が必要であると訴え続けた。 しかしながら、総理は消費税増税のトーンを下げ、そして実質的に民主党は
第1に、各省庁の「政務三役を中心に政治主導で政策を立案、調整、決定」するようになった。これは、2009年のマニフェスト(政権公約)の第1策に対応している。その冒頭部分である「政府に国会議員約100人を配置」することは実現していないが、多くの官僚に話を聞いても、これまで課長あるいは補佐レベルで意思決定していたものの多くが、大臣のほか、副大臣や大臣政務官に委ねられるようになったという。 第2に、官僚主導の象徴と見られてきた「事務次官会議は廃止し」、「閣僚を先頭に政治家自ら困難な課題を調整する」ために、「閣僚委員会」を開催するようになった。これらは、マニフェストの第2策に対応しており、内閣が責任を持って意思決定を行うことを意味している。2010年度予算編成において、各省大臣に査定大臣となるように求めたことも、これに該当するだろう。 第3に、「官邸機能を強化」するために、「総理直属の国家戦略局を設
石原都知事が言い放った。 「フランスごとき会社が出てきてだね、手賀沼(千葉県の湖沼)の浄水やるなんてのは、私に言わせりゃ、こしゃくな話で、こんなものはとっくに、東京に依頼すればやったのに、そういうところのセールスがだめなんだな、日本人は」 2010年春、海外からの水ビジネスの参入について、コメントを求められた石原知事は一気にまくし立てた。フランスの水メジャー・ヴェオリアが千葉県の浄水事業を落札したことに憤っている。 水メジャーの虜になる自治体 東京都の漏水率はわずか3%。ロンドンやパリの20%とは比較にならない。その技術力は世界トップクラスなのだから、もっと世界へ打って出るべきだと。 海外では水道施設が民営化されている事例が少なくない。すでに13カ国で民間企業が上下水道事業を行っており、水道事業はビジネスの時代に入っている。グローバルな実態は、欧州大手の水メジャーの上位3社、ヴェオリア、G
2月2日の日経ビジネス オンラインで掲載した「郵政民営化見直しを凍結せよ――元郵便局長からの提言」。そして、3月10日の「郵政民営化をさらに一歩進めましょう」。理論派の元特定局長、今西宏が書いた2本の記事は内外で高い注目を集めた。 今国会での成立を目指した郵政改革法案は民主党が会期の延長を見送ったため、廃案となった。ただ、連立パートナーの国民新党は参院選後の臨時国会での法案成立に強い意欲を示している。漂流する郵政見直し。この現状に、再び今西が声を上げた。 郵政改革法案が先の国会で成立できずに廃案となり亀井大臣は辞任した。国民新党は政権与党を当然離脱するものと思っていたら、連立は維持するという。わけのわからない結末で国会を閉じた。 先の衆議院本会議でこの法案が成立したとはいえ、内容についてはほとんど審議されていない。このまま参議院でも同様の強行採決が行われていたら、まさに国民不在の郵政改悪と
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