来年3月に全線開業する九州新幹線鹿児島ルートの停車駅をめぐり、JR九州に沿線自治体から「わが駅に停車を」と要望が相次いでいる。山陽新幹線を運行するJR西日本は「停車駅を減らし、航空機に勝てる新幹線を」との姿勢を崩さない。JR九州は、地域の熱意と対航空機競争との狭間(はざま)で苦しんでいる。(小路克明) ■久留米vs新鳥栖 九州新幹線「さくら」の歓迎式が2日、久留米駅(福岡県久留米市)と新鳥栖駅(佐賀県鳥栖市)で行われた。楢原利則・久留米市長と、橋本康志・鳥栖市長は異口同音に「1本でも多くの停車を目指して努力する」と語った。 両駅間はわずか5キロ。停車駅の綱引きはまさに真剣勝負だ。 楢原市長は「久留米駅は在来線との併設駅で、連結がいい。また(人口約30万人の)久留米の規模もJRに考えてもらえるよう今後も要望していく」と話す。 一方、高速道路の東西南北を結ぶ鳥栖ジャンクションを抱え「九州交通の