1月28日のNHK「ファミリーヒストリー」が、五代目柳家小さんのことを辿った映像を孫の花緑が見る、という内容だったことは、八代目林家正蔵のことを書いた時に紹介した。 2013年1月29日のブログ あの番組を観たからではないが、2月26日と言うと、やはり五代目小さんのことを連想する。 77年前、昭和11年の2月26日は東京は雪が降った。その雪の中、歩兵第三連隊に所属する小林盛夫、前座名の栗之助は、上官の命じるままに警視庁を占領する反乱軍の一人となった。 四代目小さんに入門して、三年目、陸軍に入隊してたった一か月後のことである。 占領から二日たった2月28日には食糧が届かなくなり、天皇の命令により鎮圧部隊が派遣された。反乱軍の汚名を着せられ、沈鬱なムードになる中で、上官が小さんに落語をやるように命令した。小さんは『子ほめ』を演じたが、誰も笑わなかった。「面白くないぞッ!」のヤジに、「そりゃそう