大阪府・市の統合本部は「大阪都構想」の実現に向けて、府・市の主要事業の改革、民営化、統合プランを作成中である。この連載では、これまでにモノレールの改革、公立病院の統合について考察した。 今回はすでに報道で注目を集める人形浄瑠璃文楽への補助金カットの問題を考える。1963年に設立された公益財団法人の文楽協会(大阪市中央区)に対しては、長年、国、府、市が補助金を提供してきた。また国は大阪に専用劇場を作った上で公演を支援している。地元の大阪府と大阪市も毎年文楽協会に対して5200万円の補助金を助成してきた。 これに対して橋下徹大阪市長は芸術文化団体に対して経営の自立を促進し、継続的に運営補助金を出すというやり方を見直す方針を打ち出した。そして、文楽協会への補助金を25%カットすることとともに、文楽協会に運営改革案を作って実行することを求めた。しかし、協会側は公開の場での意見交換会を拒否するなど予