このところテレビや講演で視聴者、受講者などから質問を受ける機会が多かった。 カウンセリングで質問を受けた時には、ある程度適切なアドバイスができているという自負がある。ところが放送や講演の時の回答の後は、かなり一人で落ち込むことが多い。実際質問した人は私の回答にある程度満足している様子ではあるが、私自身が納得出来ない部分があるのだ。 カウンセリングで質問されたときは、クライアントの背景をよく聞いた上で、私のアイディアを、クライアントが受け入れられそうな内容や表現にして、ひとつの提案として回答(アドバイス)する。私は、相手が納得する理屈を「相手理論」と表現している。 これに対して、アドバイスの下手な人が陥りやすいのが、「自分理論」の押し付けだ。自分理論とは、自分にとって納得できる理論。しかし相手にとっては、まだ話していない部分や相手自身の能力・性格、置かれている状況などから、提示されたアドバイ