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中森明夫氏の才能というのは、ある漠然とした状況をひとつの言葉で切り取って提示する「フレーミング力」にあると俺は思うわけです。つまり一種の広告代理店的な能力で、そこは天才的なものがあると思いました。俺は「おたくの研究」をリアルタイムで読んでいるんですけど、「うまいこと言うなあ!」とヒザを打ちましたよ。自分を棚にあげて。 ちなみに、俺の周囲の「おたく」では、中森君が書いた内容に本気で怒った人は、ちょっといなかったですね(※)。キツイジョークだとは思ったけど。だいたい中森氏自身が、外見を含めて見るからに「おたく」だったわけですよ。彼はアニメではなくアイドルマニア出身で、だいたいペンネームからしてそっち方面丸出しじゃないですか。 それから、俺はちっとも覚えてないんだけど、古い友人である桜玉吉と初めて会ったとき(1979年)、俺が玉吉に「おたくさあ」って呼びかけたらしいんですよ。それが第一声だったら
ここのところ年末進行レベルの忙しさが続いているので、今日はざっと軽めに書きます。明日以降、詳しく触れるネタもありますのでそのつもりで。 ●OTAKU展に行って来た ようやく。いや気が付いたら12日になっていまして、もう後がない(展示は本日まで)ので、かなり無理して行って参りました。しかし土日なんで、ある程度混むだろうとは思っていましたが、まさか1時間半も行列に並ばされるとは。あんなに並んだのは『ドラクエ4』の発売日以来、いや1977年の『劇場版宇宙戦艦ヤマト』以来でしたよ。そのとき、本とか何も持って行かなかったので「しまった」と思いました。ちょうど本田透さんの『電波男』が送られてきていたのに、鞄に入れて持って行くのを忘れてしまって烈しく後悔。その ●本田透さんの『電波男』 なんですが、しろはたの宣伝を見る限りでは小谷野敦『もてない男』のオタク版というか、そのハードコア版みたいな好著のようで
地獄のような締め切り攻撃をなんとかかわして、ようやく暇ができてホッとしている反面、このままずっと暇だったらどうしようとちょっぴり不安も出てきた本日の竹熊であります。 でもあまり忙しいと「たけくまメモ」の更新もままならず、また本業であまりネタを投入するとブログのネタがなくなるのはイヤだな、とかここのところ完全に倒錯した思考になっております。早く「ブログが本業」と胸を張って言いたいのですが、アフィリエイトでは今のところ家賃にもなりませんので、大変、恐縮ではありますが拙著『ゴルゴ13はいつ終わるのか? 竹熊漫談』をご購入いただきますと、俺の生活に潤いが出、ついでにブログにも張り合いがでますので、税金でも払うつもりでよろしくお願いいたします。 なお同書の後半は、ゴルゴとは関係ない「オタクの話」で占められておりますので、また「タイトルに偽りあり」とネットで叩かれるかも、と昨日到着した見本を眺めて蒼く
東京都写真美術館で開催されている「おたく」展、この週末はたいへんな盛況で、行列ができていたんだそうです。会期が今週末までなので、未見の方はお見逃しなくと思います。 あちこちのブログなどで感想があがっていますが、たとえば id:yskszk さんの日記の記述などは、一般的な意見として納得できるものと思いました。もしぼくが何の予備知識もなくこの展示をみたら、同じような意見を持ったことでしょう。 http://d.hatena.ne.jp/yskszk/20050306#p1 それだけ、今回の展示には背景となる文脈が何重にも畳み込まれているわけで、それはとりもなおさず「オタク」というもの(正確には、「オタク」を語ること)が孕む面倒くささのあらわれでもあるのですが、まず、これが美術展ではなく、建築展での展示であることは押さえておかなければならないでしょう。 しかし、多くのひとはこれを「美術」の文脈
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