収録作: 「イスラム教の信者、ユダヤ教の信者、キリスト教徒など、神と終末の日とを信じ善を行う者は、その主のみもとに報酬がある。彼らには恐れも悲しみもない」 湾岸戦争直前、米軍の情報工作に携わった日本人傭兵、「ジョーイ」の活動を追った怪作(誉めてるんです)。日本の現状を揶揄した展開は、若き日の筒井康隆を彷彿させます。 「94627」 サリン事件を題材に証言集の形を取った短篇。SFファンには、ハインラインの“危険な兵器というものは存在しない。危険なのは人間だけだ”(うろ覚え^^;)という言葉を思い出すでしょう。 「ALICE」 バラードのコンデンスノベルを思わせる報告書形式の作品。殺人事件の当事者たちが多重人格者(?)なようなので、目眩のするような構成。実験作かなぁ。