岩田 そうですね,日本は,よりスペクトラムの広い抗菌薬を開発することによって耐性菌に対処してきました。1960年代以降この戦略を採用してきていますが,その結果この戦いに敗れつつあります。 私は血液培養を,昔から使用されてきた狭域抗菌薬を適切に使用し続けるための戦略として捉えています。それは逆に,広域抗菌薬を有効にすることにもつながります。我々は現在,地球上に存在するいかなる抗菌薬でも治療できない可能性のあるカルバペネム耐性のシュードモナスや,アシネトバクターに直面しています。しかし,カルバペネムの使用を制限すれば,カルバペネムに対する感受性が復活するでしょう。血液培養によって適切な狭域抗菌薬を選び広域抗菌薬の使用を制限すれば,広域抗菌薬の感受性が復活するのです。 Towns その哲学にまったく同感です。それによって広域抗菌薬は市場に長い間存続できるようになり,臨床医が行う患者への治療におい
【寄稿】 PBLを超えるTBL「チームLEAD」 デューク・シンガポール国立大学医科大学院の視察より 徳田安春(筑波大学大学院教授) 後藤英司(横浜市立大学大学院教授) PBLの弱点を克服するTBL わが国の医学教育において普及しつつあるProblem-based Learning(PBL)テュートリアルだが,臨床で役立つ問題解決能力を学べるというメリットの一方で,次のような弱点も抱えている。まず,PBLは労働集約的な側面があり,少人数の学生グループに対しそれぞれ教員を割り当てる必要があるので,学生数が多い大学の場合は,大量のマンパワーが必要となること。次に,学習者の主体性を尊重するため,自主学習へのモチベーションが低い学習者に対する教育効果が小さく,学習集団に対して均質な学習効果を得ることが困難であるとされていることである。 医療崩壊の主要因の一つとして挙げられている「医師不足」問題に対
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く