このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。通常は新規性の高い科学論文を解説しているが、ここでは番外編として“ちょっと昔”に発表された個性的な科学論文を取り上げる。 X: @shiropen2 米スタンフォード大学と米タフツ大学に所属する研究者らが2016年に発表した論文「Unexpected biases in the distribution of consecutive primes」は、長年、ランダムだと考えられてきた素数の出現パターンに、予想外の規則性が存在することを発表した研究報告である。 素数は、1と自身以外で割り切れない数であり、他の全ての数は素数の積で表現できるため、数論の基礎を理解する上で極めて重要である。しかし、ある数が素数であるかどうかを予測する方法は存在