とても怖いマンガを描いていた知り合いの話。 とある知り合いでAさんという方がいた。その人はたいそう絵が上手だった。その人の絵は完成度が高く、また華のある絵柄だった。美術系専門学校卒、現職もデザイン系ということもあって、その人の同人誌はまるで商業誌のような華やかさだった。 ただし、絵はものすごおおおおく上手なのだが、話がこれっぱかしも面白くなかった。いや、面白い面白くないというレベルではなかった。決して話がわからないというわけではないのだが、会話のシーンがなんとなく進んでいてペラっとページをめくると次のページがない。あれ?と思って前のページへ戻ると実は前のページで終わりだった……というようなオチがわからないマンガだったのだ。そんなに絵が上手なのだからちょっとシリアスっぽい雰囲気でごまかせるような話を描けばいいのにと私は常々思っていたのだが、彼女は何故かシリアスは描かずいつもギャグ(コメデ