日経の記事利用サービスについて 企業での記事共有や会議資料への転載・複製、注文印刷などをご希望の方は、リンク先をご覧ください。 詳しくはこちら 米国の農業地帯は、例年11月には静寂が訪れる。コンバインは大方の刈り入れを終え、収穫物は倉庫に集められ、農場主はようやくくつろげる。少なくとも一つの基準に基づけば、今年は満足度が高いはずだ。米イリノイ州西部で養豚と穀物を栽培するランディー・シムズ氏は、1エーカー当たり75ブッシェルの大豆を収穫した。これは従来の3割増だ。米全体でも、今年の大豆生産量は過去最高の46億9000万ブッシェルに達する見込みだ。問題は、これを誰が買うのか、だ。 米農家はトランプ大統領が始めた貿易戦争の渦中にある。輸出する農産物の2割以上が新たな関税に直面しており、今年1~9月にメキシコと中国に輸出した豚肉はそれぞれ31%と36%減少した。米最大の輸出農産物である大豆の対中輸