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谷口恭に関するytnのブックマーク (28)

  • 誤解だらけのB型肝炎ウイルス(3) | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

    実際の症例から 今回は太融寺町谷口医院(以下「谷口医院」)で診療したB型肝炎の症例について紹介したいと思います(ただし、人が特定できないように似たような症例を組み合わせてまとめています。もしも似たような人を身近に知っていたとしてもそれは単なる偶然だと考えてください)。 【症例1】40代男性 販売職 献血をおこなった数週間後に「B型肝炎の可能性がある」という通知が届いたとのことで会社の近くにある谷口医院を受診。採血をおこなうとHBs抗原がわずかに陽性。精密検査から急性B型肝炎確定。 この症例が興味深いのは感染した直後に献血に行っている、ということです。日赤の検査結果をみるとHBs抗原が陰性で、HBV-DNAが陽性。これは感染して間もないことを示しています。 このような患者さんを診察したときには治療だけではなく感染経路を特定し他に検査すべき人がいないかを確認しなければなりません。1年前に奥さ

    誤解だらけのB型肝炎ウイルス(3) | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」
  • 誤解だらけのB型肝炎ウイルス(2) | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

    最善の対策はワクチン接種 B型肝炎ウイルス(以下HBV)への最善の対策はワクチン接種に他なりません。HBVは医療行為でも簡単にうつりますから(実際ワクチンがなかった時代には患者から感染し命を落とした医療者は少なくありません)、医学部や看護学校では、学生が入学すると直ちにワクチン接種を行っています。 私が院長をつとめる太融寺町谷口医院(以下谷口医院)は大阪の都心部にあり、周囲にいくつか看護学校や歯科衛生の学校があることから毎年新入生が入学する3〜4月にHBVワクチンの希望者が増えます。HBVのワクチンは希望すれば直ちに接種できるわけではありません。まず感染していないことを確認する検査が必要になります。谷口医院ではこの検査で初めて感染していることが分かるという人が全体の1%程度います。 抗体ができれば多くが「治る」 もうひとつワクチンを接種する前にしなければならないことは抗体の有無の検査です。

    誤解だらけのB型肝炎ウイルス(2) | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」
  • ある愛の軌跡~私の彼はHBVキャリア~ | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

    誤解だらけのB型肝炎ウイルス【9】 B型肝炎ウイルス(以下HBV)は、「性交渉」とはほど遠い皮膚や粘膜の接触で感染することもあります。そして感染すると生涯にわたって体内からウイルスを消すことはできません。無治療であれば劇症肝炎や肝臓がんを発症し、死を逃れられないこともあります。では、新しくできたパートナーがHBV陽性であった場合、あるいはあなた自身がすでに陽性の場合はどうすればいいのでしょうか。 愛し合う2人 HBV克服までの長い道のり 今回は、実際に私が経験した症例を紹介し、愛し合う2人がどのようにHBVを克服したかについてみていきたいと思います。ただし、実際とは少し異なるエピソードを入れています。もしもあなたの周囲に似たような人がいたとしても、それは単なる偶然だとお考えください。 【症例】32歳女性 真理子さん 花粉症とぜんそくで太融寺町谷口医院(以下「谷口医院」)に通院中の真理子さん

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  • HBV感染者へのいわれなき差別と偏見 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

    誤解だらけのB型肝炎ウイルス【8】 B型肝炎ウイルス(以下HBV)のワクチンが2016年10月から定期接種に組み入れられました。それ自体は歓迎すべきことですが、現時点では対象は生まれてくる赤ちゃんだけで、成人は希望者のみが医療機関に行き、自己負担で接種するかたちとなっています。看護師や医師など医療者は学校に入学した時点で接種が義務付けられていますし、ほとんどの国では留学するならワクチン接種が入学の条件となります。最近は格闘技やサッカーなどのコンタクトスポーツを始める前に、接種が推奨されるようになってきています。 ですが社会全体には、HBVワクチン接種はまだまだ浸透しているとは言えません。感染力が極めて強いことを示す症例は過去のコラム(「誤解だらけのB型肝炎ウイルス(1)」「誤解だらけのB型肝炎ウイルス(3)」)で紹介しましたが、こういった例は枚挙にいとまがありません。これだけ感染力が強く、

    HBV感染者へのいわれなき差別と偏見 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」
  • 誤解だらけのB型肝炎ウイルス(5) | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

    「HBV感染者は受け入れない」と言う介護施設 前々回紹介した症例2の女性のB型肝炎ウイルス(以下HBV)の感染ルートとして、当初私は勤務先の介護施設での院内感染を疑ったため、この女性に職場に相談するように言いました。その結果、職場から返ってきた回答は、なんと「当施設では入居時にHBVに感染している者(介護を受ける方)はお断りしているから院内感染は心配無用」というものだったのです。 私はこれを聞いたとき、驚きを越えて憤りを感じました。日にはHBV陽性者が100万人以上いると試算されています(注1)。この施設ではHBV陽性であればただそれだけの理由で、入居を拒否すると言っているのです。こういう施設はおそらくHCV(C型肝炎ウイルス)陽性者にもHIV(ヒト免疫不全ウイルス)陽性者にも同じ対応をとるでしょう。これが「差別」でなくて何なのでしょう。 HBV感染は感染者が悪いわけではありません。症例

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  • 本当に「大丈夫」?渡航前ワクチンの選び方 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

    理解してから接種する--「ワクチン」の当の意味と効果【27】 医師は常に冷静沈着であるべきで、学会報告や論文で治療がうまくいかなかったり、患者さんを助けることができなかったりした症例を見聞きした時も、感情移入をしてはいけません。ですが、それでも「なんとかならなかったのだろうか……」と何度も考えてしまう事例があります。この連載で少し前に紹介した「乳児が蜂蜜をべてボツリヌス症で死亡」などはその最たる例です。そして今回紹介するのもそのような例の一つです。 国立感染症研究所が毎月発行している「病原微生物検出情報」2017年5月号に麻疹(はしか)の症例が報告されました。この症例は、非常に示唆に富むもので、私がこの報告を読んだ最初の印象は「起こるべくして起こった」というものです。まずはこの症例を簡単にまとめてみましょう。 ジャカルタで麻疹に感染した男性 【症例】36歳男性 生来健康で、2016年8

    本当に「大丈夫」?渡航前ワクチンの選び方 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」
  • 医師も裏をかかれる 淋菌の生存戦略 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

    抗菌薬の過剰使用を考える【12】 日初の女性医師、荻野吟子を生涯悩ませ続けた淋病(りんびょう)。ペニシリンをはじめとする優れた抗菌薬の登場で簡単に治る病となったと思いきや、ことはそう簡単ではありません。今回は、現代の淋病に伴う「誤解」について実際の症例を通して述べていきたいと思います(ただし、実際の症例とは少し内容を変えています。もしもあなたの知り合いに似たような人がいたとしても、それは単なる偶然であると考えてください)。 尿道や子宮だけではない淋菌の驚くべき生存戦略 【症例1】30代女性Aさん 太融寺町谷口医院(以下「谷口医院」)には高脂血症と花粉症で定期的に通院しているAさん。今回は、昨日の夜から残尿感と排尿時の痛みがあり次第に悪化してきたとのことで受診。尿をとってもらい沈渣(ちんさ=尿を遠心分離機にかけて沈殿した固形成分のこと)のグラム染色を行うと、白血球の一種、好中球に貪(白血

    医師も裏をかかれる 淋菌の生存戦略 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」
  • あなたはワクチンをどのように理解していますか? | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

    理解してから接種する−−「ワクチン」の当の意味と効果【1】 あらゆる医療行為のなかでワクチンほど物議を醸すものはないのでは……。これは私が臨床現場で日々感じていることです。がんにどのような治療をすべきか、糖尿病への糖質制限は是か非か、サプリメントの効用をどう考えるか、などよく議論になるテーマはほかにもあります。しかし、これらは「今ある病気に対する治療のリスクとベネフィット」あるいは「大きな副作用のない予防医学」などに関するものです。 インフルエンザワクチンを注射する医師=福岡市中央区で2016年1月7日、和田大典撮影 しかし、ワクチンに関しては根的に違う側面があります。元々、病気がなくて元気な人に接種するものであり、その感染症にかからなかったとしても、ワクチンを接種したからかからなかったのか、ワクチンに関係なく感染しなかったのかを判別することができません。つまり、個人レベルで見ると、接

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  • B型肝炎ワクチン定期化でも変わらぬ無関心 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

    誤解だらけのB型肝炎ウイルス【7】 連載では過去に6回にわたり、B型肝炎ウイルス(以下HBV)について取り上げました。HBVはとても感染力が強く、唾液や汗からも感染することがあること▽2002年には保育園で25人の集団感染があったこと▽いったん感染するとウイルスは生涯体内から消えないこと▽「治った」と言われても将来牙をむく可能性があること▽ワクチンで完全に防げる感染症なのにもかかわらず接種していない人が大勢いること--などを述べました。世界のほとんどの国(それは先進国だけでなく文字通りほとんどの国)が生まれてきた赤ちゃん全員に無料で接種しているなか、日では定期接種に入れられていない問題についても指摘しました。 2016年10月、ついに日もHBVワクチン定期化が実現し、ようやく世界に追いつくかたちとなりました。これは歓迎すべきことですが、ではHBVに関するさまざまな問題はすべて解決した

    B型肝炎ワクチン定期化でも変わらぬ無関心 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」
  • 抗菌薬が引き起こす危険な副作用と、「キス病」 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

    知っているようで、ほとんど知らない風邪の秘密【9】 このコラムの第20回で風邪への抗菌薬使用の注意点を述べました。「抗菌薬は自分の判断で飲んではいけない」「抗菌薬は自己判断で中止すると耐性菌を生み出す可能性がある」「医師も抗菌薬の処方には慎重を期している」ということなどを解説しました。 今回はその続編です。抗菌薬がなぜ危険か、ということについて副作用を中心に説明し、さらに抗菌薬が病状を悪化させる風邪を紹介します。「どうして抗菌薬ばかり……」と感じる方がいるかもしれませんが、抗菌薬を気軽に考えすぎている人があまりに多い……と日々、臨床を通して私自身が感じているからです。だからしつこいくらいにそのリスクを訴えたいという気持ちがあるのです。 抗菌薬は気軽な薬ではない まず、繰り返しになりますが、処方された抗菌薬は大きな副作用が出ない限りは最後まで飲みきることが重要です。では「小さな副作用」なら我

    抗菌薬が引き起こす危険な副作用と、「キス病」 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」
  • 犬をベッドにあげてはいけない二つの理由 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

    知っていますか? 意外に多い動物からうつる病気【5】 カンピロバクターの感染を避けるために、飼い犬に顔をなめられてはいけないという米疾病対策センター(CDC)の助言を前回紹介しました。犬は能からなのか、飼い主に強い愛着を持てば持つほど顔をなめようとします。私が小学生の頃、学校から帰ると当時実家の庭で飼っていた「ポチ」はうれしそうにしっぽをふり、早くこちらに来て、と言わんばかりにかわいい声を出して私を見つめます。駆け寄って腰をおろし、頭をなでてあげると愛らしく私の顔をなめようとします。ペットを飼ったことのある人には、この瞬間の「至高の喜び」を分かってもらえると思います。 それからおよそ20年後、医学を学びだした私は、こういった行為がとても危険であることを知るようになりました。おそらく、きちんと医学を学ばなければこの危険性は認識できないと思います。いえ、きちんと学んだとしても、認識できないか

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  • 食中毒の原因カンピロバクターが子犬から感染 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

    知っていますか? 意外に多い動物からうつる病気【4】 カンピロバクターといえば細菌性中毒を代表する細菌であり、すでに過去の連載(「鶏の生が危険な二つの理由」)で紹介しました。そのときに述べたカンピロバクターの特徴は次の二つ。鶏のタタキや刺し身から感染することが多いということ、もうひとつは薬剤耐性菌が増えてきているということです。 米国のペットショップチェーンから集団感染 そのカンピロバクターが犬からヒトに感染することがある、というのが今回のポイントです。2017年9月11日、米疾病対策センター(CDC)は、特定のペットショップチェーンの従業員やそのチェーンのペットショップで子犬(puppy)を買った人たち合計39人がカンピロバクターに感染し発症したことを発表し、米国の各メディアが一斉に報道しました。(参考:https://www.washingtonpost.com/news/anim

    食中毒の原因カンピロバクターが子犬から感染 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」
  • ジフテリアと似た猫・犬からうつる感染症 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

    知っていますか? 意外に多い動物からうつる病気【1】 現在の日にはほとんどないとはいえ、世界の貧困地域では今も猛威をふるう「死に至る風邪」のひとつジフテリア。前回は、ロヒンギャ難民が避難しているバングラデシュのリゾート地で流行していること、日では定期接種に入っているために当たり前のように接種しているワクチンが貧困地域では普及していないことなどについて述べました。 前回のコラムでも指摘したように、このワクチンの効果は20代半ばくらいに切れるだろうと言われています。それ以降も予防するために成人用のワクチンを接種することは、日に住んでいる限りほとんど必要ないと言えるかもしれません。ですが、これだけ来日する外国人が多い時代ですから、感染のリスクは国内でも完全にゼロとは言い切れません。 からうつった病原菌で死亡例 そしてもうひとつ、ジフテリアワクチンを積極的に接種すべきかもしれない「出来事」

    ジフテリアと似た猫・犬からうつる感染症 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」
  • 歯科医院での院内感染を防ぐには | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

    エイズという病を知っていますか?【7】 2016年2月、神戸市のある大きな病院が、60~90代の男女3人の入院患者が劇症化した急性B型肝炎で死亡したことを発表しました。3人は15年7月に同じ病棟に入院しており、B型肝炎ウイルス(HBV)はほぼ同一のもので、病院側は「院内感染を否定できない」と報告しました。 07年12月、神奈川県茅ヶ崎市のある病院で、心臓カテーテル検査を受けた患者5人が相次いでC型肝炎ウイルス(HCV)に感染したことが明らかとなりました。翌年3月、同市は、注射筒などの使いまわしが原因となった可能性があることを発表しました。 13年3月、米国オクラホマ州の歯科医院で治療を受けた患者がHIV(ヒト免疫不全ウイルス)とHCVに院内感染していたことが明らかとなりました。これを受けて、同州の保健当局は、この歯科医院で治療を受けたおよそ7000人にHIVとHCVの検査を呼び掛けました(

    歯科医院での院内感染を防ぐには | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」
  • 日本の歯科医療の異常な滅菌事情 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

    エイズという病を知っていますか?【13】 過去のコラム(「歯科医院での院内感染を防ぐには」)で、日歯科医院のあまりにもひどい院内感染対策についてお伝えしました。厚生労働省の調査で、ハンドピース(歯を削るドリルの回転機構などを内蔵した持ち手部分)の交換・滅菌を患者ごとにきちんとおこなっている歯科医院は全体の3割しかないことが明らかになったのです。 この調査結果は2014年のものですから、その後急速に滅菌が一般化したに違いない……そう願いたいところです。そして、最新の調査結果が17年5月に公表され(注)一部のメディアが報じました。驚くべきその結果は……。それをお伝えする前に、最近の海外での事情をみていきましょう。 米国:未滅菌器材使用疑いの85人を検査 まずは米国です。米国の歯科医院でのHIV感染といえば「キンバリー事件」が有名です。この連載でも紹介した(「謎のHIV感染『キンバリー事件

    日本の歯科医療の異常な滅菌事情 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」
  • 手、頭、顔、背中にもできる「水虫」予防と治療 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

    「誰もが発症しうる身近なかびの感染症」として、前々回は「カンジダ」、前回は「マラセチア」を紹介しました。最終回となる今回は「水虫」を中心に紹介していきます。 ご存じの方が多いでしょうが、水虫の原因は「白癬(はくせん)菌」です。「菌」という名ですが細菌ではなく、真菌、つまりかびの仲間です。そして「白癬菌」は実は1種類ではなく、数十種類ものかびの総称です。 気になる「重症化」と「他人への感染」 「水虫を治したくないんです……」 これは数年前、ある60代の男性の患者さん(X氏)から聞いた言葉です。家族に水虫を治すよう促されているものの「治したくない」と言います。その理由は「かくと気持ちいいから」。X氏によれば、リラックスした時空間で水虫のできた足をかくことが「至福のひととき」だそうです。X氏はもともと、生活習慣病などのために太融寺町谷口医院(以下「谷口医院」)にかかっていて、この日の診察の終わり

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  • 日本で性感染症増加が予想される理由 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

    梅毒の誤解を解く【6】 私は基的にSNSで何かを発信することはありませんが、Facebookは知人が何をしているのかを確認するために月に1度程度チェックしています。ちなみに私は通知が届くのが嫌なのでスマホにはアプリをインストールせず、パソコンで利用しています。Facebookで私が最も驚かされるのは「友達リクエスト」が世界中から届くことです。「友達」にしている外国人の「友達」のみならず、日人の「友達」とつながっている「友達」が世界中にいるためにこのようなことが起こるのでしょう。もちろん海外から友達リクエストを送ってくる知らない外国人と「友達」になることはありませんが、もしも私に「若さ」と「時間」があればFacebookを使って世界中に友達、そして“パートナー”を見つけようとしたかもしれません。 国際結婚はもはや当たり前、結婚までいかなくてもパートナー、パートナーと呼べなくても友達以上の

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  • 再考 梅毒が「急増している」本当の理由 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

    梅毒の誤解を解く【5】 昨年(2017年)の8月から9月にかけて合計5回(番外編を含む)にわたり紹介した「梅毒」。多くの方に読まれたからなのか、公開後数人の報道関係者から取材を受けました。 そのなかで何度も尋ねられ、最も印象に残っている質問が「梅毒は中国旅行者が持ち込んだというのは当か」というものです。なぜこのような質問が多かったのか。その質問をした報道関係者の一人は、東京都内のある区議会議員がそのような発言をしたと説明しました。 中国旅行者が日で梅毒を広めたことを示すデータなどは存在せず、「そのようなことは言えない」というのが私の考えです。今回はその理由を述べますが、その前に昨年も述べた「当は梅毒が急増しているわけではない」という私の考えを再度紹介しておきます。 減る「いきなり梅毒」、急増の「保健所紹介状」 私が勤務する太融寺町谷口医院(以下「谷口医院」)では、過去12年間で梅

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  • HIV感染の心配に「海外では」安く使える予防薬 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

    エイズという病を知っていますか?(21) HIV(エイズウイルス)陽性のパートナーがいる人や、事故でウイルスが体内に入った心配がある人などが、薬でHIV感染の暴露前予防(PrEP)及び暴露後予防(PEP)をするのは、世界的には常識です。PrEPもPEPも有効性・安全性を支持する高いエビデンスがあり、全世界で普及しているのにもかかわらず、日人の間ではまだあまり知られておらず、実践している人はごくわずかです。その最大の理由は高すぎる費用です。今回は海外ではなぜこれらの予防が安くできるかについて解説し、さらに日人が安く実践できる方法を提案したいと思います。 まずは、実際に私が診察した患者さんの例を紹介しましょう。(人が特定されないように若干のアレンジを、今回紹介するすべての事例に加えています)

    HIV感染の心配に「海外では」安く使える予防薬 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」
  • HIVは「薬で抑えていればうつらない」が今の常識 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」

    効果的な治療を続けていれば感染しないことが「HIVの新常識」だと啓発するマークとキャッチコピー(U=Uジャパンプロジェクト提供) エイズという病を知っていますか?(20) 今回は、世界的には当然のことなのに、日ではあまり知られていないHIV(エイズウイルス)の新しい二つの“常識”について述べたいと思います。HIVに関しては、我々医療者にとっては当然のことだけれども、一般の方に話すと驚かれることがたくさんあります。今回はその中で私が特に世間に訴えたい二つを取り上げます。一つは「U=U」という言葉で象徴される、HIVが昔に比べてはるかにうつりにくくなった現状。もう一つは「PrEP(暴露前予防)」及び「PEP(暴露後予防)」です。どちらもアルファベットで、なじみのない言葉かもしれませんが、大切なことなのでじっくり説明します。

    HIVは「薬で抑えていればうつらない」が今の常識 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」