大手広告代理店「電通」の新入社員の過労死問題に注目が集まる中、元電通コピーライターが書いたコラムが話題になっている。コラムのタイトルは「広告業界という無法地帯へ」(http://monthly-shota.hatenablog.com/entry/2016/10/20/214026)。執筆した前田将多さんは、昨年まで約15年間、主にコピーライターとして電通につとめていた。 5千字を越える長文の中で、前田さんは広告業界の実態に触れながら、日本社会全体に横たわる構造的な問題点についても指摘している。今回のコラムを書いた背景や、広告業界や日本社会のあり方について、前田さんに聞いた。 ●徹夜してやってしまうのが「優秀な広告会社」という風潮 ――コラムを書いた理由は? 新聞やネットの報道を追っていく中で、「電通が是正勧告を受けた」「深夜の残業を禁止する内部通達」「電灯を消すことにした」といった取って