キース・ソーヤー著『凡才の集団は孤高の天才に勝る』(金子宣子訳、ダイヤモンド社)を読んだ。 三年くらい前にジェームズ・スロウィッキー著『「みんなの意見」は案外正しい』(小高尚子訳、角川書店)という本が出ていて、「似たような本かな」とおもいながら手にとった。似ているところもあるが、ちがうところもあった。 『「みんなの意見」……』のほうは、「集合知」(集団の知恵)というテーマをあつかっていたとおもう。たとえば、グーグルなどであやふやな人名を検索すると、検索結果の数が多いほうが正解であることが多いというような話だ(ごめん、うろおぼえ)。 『凡才の集団は……』のキーワードは、「グループ・ジーニアス」あるいは「コラボレーション」である。 タイトルや装丁は、ビジネス書っぽいが、パラパラ読んでいるうちに、「グループ・ジーニアス」という言葉は、わたしの関心事である中央線文士、第三の新人、「荒地」の詩人、「