先日 NHKで放映された「無縁死」は随分大きな反響があったらしい。 私も敬遠したくなる題名だったが結局熱心に見て、考えさせられた。 人間、所詮は一人、どういう死に方でも死に変わりは無い、孤独死それも結構と割り切っていたつもりが、現実を見せられると動揺した。 寂寞たる思いは理屈じゃない。 昔はそれを避けるため親類縁者の付き合いに気を遣い、地域社会から排除されなように義理を尽くし、階級制度に甘んじ、会社で嫌な事も我慢し、自分の国のためにもつくした。 子ども連れで親戚を訪れるのは日常の恒例だった。 親が早世すれば、そこの子どもは親戚が手分けして成人するまで面倒を見るのが当たり前だった。 敗戦を境にして若者の意識は変わった上に発言権が強くなった。中年以上、ことに高齢者層は「民主主義の世の中になったのだから」の言葉に押さえられて何も言えなくなった。 窮屈なしがらみは避けられ、能力主義で落ちこぼれれば