近年、「遺品整理」という言葉をよく耳にする。亡くなった人の持ち物を遺族に代わって点検し、貴重品や形見分けの品、その他の遺品を仕分け。処分等を代行する仕事だ。 「孤立死」が後を絶たない高齢化社会において、故人の遺品の取り扱いに頭を悩ませる遺族は少なくない。こうしたサービスや活用方法について、日本初の遺品整理専門会社「キーパーズ」代表の吉田太一さんに聞いた。 ■遺品が「ゴミ」として扱われていた10年前 「遺品はゴミではない!」 こう語るのはキーパーズ代表の吉田太一さん。他人からみれば特別な価値をもたない品々にも、そこには故人の生きざまや想いが詰まっているという。 遺品整理業というサービスがなかった10年前、こうした代行業はいわゆる「便利屋」の領域。依頼主の求めに応じて粛々と処分を遂行するのが彼らの仕事であり、故人が愛用していた大切な遺品も単なるゴミとして捨てられるだけだった。 「たとえ今は疎遠