1999年1月に起きた横浜市立大学病院における患者取り違え事件などを契機に設立された「患者の権利オンブズマン」が活動を開始して今年で10年。インターネットなどで患者が大量の医療情報を手に入れることが可能となるなかで,医師-患者関係も大きく変わった。 本紙では「患者の権利オンブズマン」で設立時から理事長を務める弁護士の池永満氏と,患者の権利やインフォームド・コンセントに非常に強い関心を持つ医師であり作家の李啓充氏の対談を企画した。 なお,本紙では一部のみの紹介となるが,対談の全文は李氏の新刊『続 アメリカ医療の光と影――バースコントロール・終末期医療の倫理と患者の権利』に収録されている。 李 池永先生が中心になって立ち上げられた「患者の権利オンブズマン」(以下,オンブズマン)が,このたび10周年を迎えられました。今年5月には,イギリス,オランダから講師を招き,10周年記念の国際シンポジウムを