連日の酷暑で、熱中症が猛威を振るっている。お年寄りは言うに及ばず尋常でない暑さのために「孤独死」も激増している。この世で一番怖いもの…それは1人きりで死んで、その亡きがらを放置され続けることかもしれない。そんな悲惨な最期を迎えてしまった人たちの遺体と身の回りをきちんと後片付けするのが「特殊清掃士」だ。聞きなれない職業だが、本紙記者が密着取材すると、作業現場のすさまじさとともに、孤独死を招いた親族の厳しい現実が見えてきた。 つい先日の午前9時、東京・江東区の古いアパートの2階奥の部屋で孤独死が発見された。身寄りのない50代男性の遺体が、数日前に発見され「遺品整理クリーンサービス東京」(東京都板橋区)の特殊清掃士・増田裕次氏に清掃依頼が届いた。 死因は心筋梗塞。死後数日で異臭が発生し見つかった。遺体はすでに運び出されている。仕事内容は汚れた部屋の回復と遺品整理だ。 男性作業員らと6畳1Kの部屋