65歳までの雇用継続が法的に義務化されて1年。企業の側には、シニアの活用になお戸惑いがある。だが、少子高齢化で若年労働力が減っていく将来、企業と日本を支える主役としてシニアの役割は無視できなくなる。 彼らを生かし、日本経済を押し上げる道はどこにあるのか。ここでは日経ビジネス4月14日号の特集「シルバー維新」と連動し、企業や個人の取り組みを紹介する。 今回にお伝えするのは、愛知県稲沢市のベアリング部品メーカー、タイヨー機械の取り組み。同社は、従業員の半数が高齢者。だが、作業を単純化し、ラインで使う機械や工具(治具)を自ら作り、シニアが働きやすい環境を作ることでむしろ競争力を高めている。小出晶子社長に詳細を聞いた。 (聞き手は田村 賢司) 従業員55人の半数が65歳以上で、定年はなく、働けるところまで働けるようにしていると聞く。シニアも働きやすくなるように、どんな工夫をしているのか。 小出:中