末期がんなど回復の見込みがない病状の患者への終末期医療は、単に延命を目的としたものではなく、患者の心身の苦痛を和らげることに重点を置き、残された生活の質を維持し、高めるのが大きな目的となっている。 2008年に厚生労働省が行った調査によると、死期が6か月以内に迫った場合の療養場所について、「必要になれば医療機関等を利用したい」と回答した人も含めると、63%の人が自宅を希望した。 だが、実際には78・4%が病院で死亡している(2008年度調査)。医療機関で最期を迎える人が多い現状もあり、終末期医療専門の「緩和ケア病棟」などの整備が進められている。県内でも橋本市や田辺市に緩和ケア病棟を備えた医療機関がある。 在宅での介護に関しては、訪問看護の事業所など施設が少ない過疎地などではサービスが受けにくく、地域間の格差もある。 厚生労働省が11年に公表した調査結果によると、和歌山県は人口10万人当たり