周年放牧は九州、沖縄など暖地での実施が多いが、冬季に積雪がある地域での実施も研究されている。ただし、乳牛(酪農)に関しては牧草地に適した平坦な土地での実施が主要となっており、冷涼な地域の、しかも森林で行う例は珍しい。 意識的な酪農家が長年の経験と研究をもとに「高くても売れる」「良質な」牛乳づくりを志してのことかと思いきや、森林ノ牧場は2007年12月に京丹後(京都府)、2009年7月に那須(栃木県)でオープンしたばかり。 さらに、牧場を運営するアミタは資源リサイクルをコアとする環境ビジネスの会社であり、環境に関わる事業に取り組む中で牧場経営が浮上してきたという異業種からの新規参入組である。 「持続可能社会の実現」をミッションとするアミタの事業の中で、森林酪農はどのように位置づけられるのか。アミタホールディングスの熊野英介会長に話を聞いた。(聞き手は川嶋諭JBpress編集長) 「森林ノ牧場