【カイロ=大内清】エジプトのスレイマン大統領は11日テレビ演説を行い、同国のムバラク大統領が辞任したと発表した。これに伴い、軍の最高幹部会議が全権を掌握した。発表に先立ち、AP通信など複数のメディアは、ムバラク大統領が首都のカイロを出て、東部シナイ半島の保養地、シャルムエルシェイクに滞在していると報じた。30年にわたってエジプトに強権体制を敷き、「ファラオ(王)」とも呼ばれたムバラク氏の“王朝”は、反政府デモ発生から18日目で崩壊した。 ムバラク氏から全権を委譲された最高幹部会議は同日夜、声明を出し、「(同会議は)国民の求める正当な政府に取って代わるつもりはない」と言明、実権を掌握したのは混乱を回避するための一時的なものであり、国民の意思に反した政権を樹立する考えがないことを表明した。今後の移行体制については「国民の要望を実現するための改革推進策を策定中で追って発表する」と強調した。 地域