油断大敵 小切手の入ったバッグを盗まれ、詐欺被害にあったFRB議長バーナンキと妻のアンナ(8月22日) Price Chambers-Reuters 個人のクレジットカード情報などを盗み出して金銭をだまし取る犯罪者は、運の悪い消費者だけでなく強大な権力者もターゲットにできる。そのいい例がアメリカ銀行界の長、ベン・バーナンキだ。 最近の裁判資料を本誌が確認したところ、バーナンキFRB(米連邦準備理事会)議長が、ある詐欺組織の数百人の被害者の1人となっていた。この組織は、すでに有罪判決を受けている詐欺師「ビッグ・ヘッド」が率いるもの。だまされやすい消費者と、全米で10以上の金融機関から210万ドル以上をだまし取ってきたという。 昨年の夏、ウォール街を襲った金融危機への対処に追われていたちょうどそのころ、バーナンキは妻が財布や夫婦共有名義の小切手帳が入ったハンドバッグを盗まれたことを知った。裁判