3 スマート革命がもたらす事業活動の変化 (1)ICTの進化と「コトづくり」の広がり 昨今、「コトづくり」が産業界復活のキーワードとして取り上げられることが多くなってきている。なぜ、「モノづくり」だけではなく「コトづくり」の必要性が主張されるようになってきたのだろうか。 端的にいえば、それは、多くの分野においてモノがコモディティ(汎用品)化し、モノを売るだけでは利益を上げることが困難になっているからである。アジア諸国に代表される新興国・途上国の躍進によって、先進国よりもはるかに低いコストで品質の高い製品を生産できる国が増えてきた。また、製品そのもの及び製品の製造プロセスにおけるデジタル化と部品のモジュール化が進むことで、熟練技術をそれほど必要とせず、市場で入手できる部品を組み合わせることで高度な製品を作ることもできるようになり、モノづくりの相対的な付加価値は低くなってきた。 一方で、情報通