2050年までに国内の温室効果ガス排出量を実質ゼロとする政府目標達成に向け、再生可能エネルギーの大量導入に向けた議論が加速している。河野太郎行政改革担当相は今後再エネの主力となる風力発電施設の設置基準の緩和を目指すが、国土が狭く生態系への影響を受けやすい日本特有の事情なども重なり、政府の思い描く通りに議論が進むかは不透明だ。 「このスピード感では所管官庁を変えざるを得ない」 20年12月1日に初会合が開かれた、再エネ規制制度を総点検する内閣府の有識者会議。風力発電の環境影響評価(環境アセスメント)の設置基準見直しの議論を巡り、河野氏はアセスを担当する環境省幹部に強い言葉で詰め寄った。この会議で河野氏は、風力発電施設で環境アセスを実施する基準を、現行の1施設あたり定格出力1万キロワット以上から、風力の導入が進む英国など主要先進国並みの5万キロワット以上にするよう環境省に要求。「関係者らとの協