・クラウドソーシング―みんなのパワーが世界を動かす 個人的にはクラウドコンピューティングよりクラウドソーシングのほうがずっと凄いと思う。コンピュータネットワークの上に実現されるヒューマンネットワークにこそ、インターネットの可能性があるのだ。世界中で使われていない才能や知識を、ネット上で集約し、活用する。オープンソースやウィキペディアは、そうした社会的生産の先鞭を付けた。世界最大のソフト開発と世界最大の辞典編集はオンラインのコミュニティが行っている。さらに世界には1日に20~60億時間もの潜在的な労働力が眠っているそうだ。あらゆる不可能を可能にできそうなパワーである。 近年のアマチュアのルネサンスは唐突に起きたのではなくて、高等教育を受ける人々が急増したこと、知識分配メカニズムとしてのインターネットの登場、複数の能力を身につけた労働力が専門性の高い労働市場で能力や教養を生かし切れず充実感を得