毎月、漢字3文字のお題でエッセイを発信する「2×3(ツーバイスリー)」新企画、第2回のお題は「先入観」。 今回、著者は読者のかわりに「先入観」をめぐる2大古典を読み解いてくれました。 激増した「二つの先入観」 「先入観にとらわれてものごとを見ないように」 「それはあなたの先入観でしょ?」 私たちは日常的によくこうした言い回しをして、まわりの人をたしなめたりする。 先入観とは、あらかじめ私たちの心の中に入っていて(つまり先入していて)、ものごとの見方を固定的なものに枠づける観念のこと。 関西人はコミカルで軽薄で、女性はか弱く、東北人はネクラ、東大生は冷たいヤツらといったあたりまではご愛敬だが、黒人は怠け者、イスラム教徒はテロリストなどとなってくるとシャレにはならなくなる。 そもそも先入観というのはどこから来るのか。新聞やテレビなどのマスメディアが大量生産し、まき散らす画一化したイメージが人々