成田 亨・著 羽鳥書店・刊 ウルトラマン。 世代を超えて、誰しもがその姿を思い浮かべることのできるキャラクター。あのデザインの基を生みだしたのが、成田亨(なりた・とおる/1929〜2002)という芸術家でした。画家・彫刻家として歩み始めた頃、成田は映画『ゴジラ』(1954)の撮影現場にアルバイトで入り、特撮シーンの制作に参加。これを機に映画美術に携わっていきます。 運命の分岐点となるのが1965〜67年にテレビ放映された「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」。ここに登場したカネゴンやガラモン、バルタン星人にダダ等々の怪獣・宇宙人、メカニックにいたるすべてのデザイン、そして特技(特撮)を手掛けました。ほぼすべてのデザイン原画が残されています。 成田亨は怪獣をデザインする際に、ある原則を念頭においていました。「現在の生物がただ大きくなったものは止めて、必ず独創的な形を考える。今一つは