金成 隆一(朝日新聞社 大阪本社編集局社会部記者) 1.はじめに 前回の拙稿「無料オンライン授業の衝撃と学びの革命」[1]に続き、今回も大規模公開オンライン講座(MOOC: Massive Open Online Courses、通称ムーク)を巡る国内外の動向について報告したい。 ムークを巡る動向を大まかに示せば、2012年はムーク誕生に沸き、2013年になるとムークをどう活用すれば、より効果的な教育を実現できるか(もしくは、より低コストで教育を提供できるか)についての試行錯誤が本格化したと言えると思う。Web上に、無料で使える良質な教育資源があるのだから、それをどう活用するべきなのかという議論に行き着くのは当然だろう。 本稿では、前半で、日本でも受講者が広がっている現状を、後半で米国の教育機関の試行錯誤について記したい。 2.広がる「スマホ留学」 日本では、現役の会社員の間で、静かにムー