交流サイト(SNS)のツイッターが米企業家、イーロン・マスク氏の買収に伴い、Xと改名してから1年余りが過ぎた。数が増えたSNSの中でも影響力の大きさは群を抜き、利用者の生活に浸透する一方で、大規模災害時のデマの拡散、繰り返される誹謗中傷など問題が途絶えることがない。Xに代表されるSNSの言語空間と、私たちはどう向き合うべきなのか。 法政大学社会学部の藤代裕之教授「現状、SNSは情報インフラではなく、誰もが自由に書き込める壁の落書きと同じ。デマなどを規制するより、SNSへの過度な期待をやめ、信頼できないという前提に立つべきだ」 藤代裕之法政大教授(ソーシャルメディア論)はこう話す。 不安覚え拡散「2024年8月14日に南海トラフはおこります」 今月8日に気象庁が南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」を発表した直後、Xでこんな書き込みが拡散した。6年前のもので何の根拠も示していない。気象庁は日