インド、ネパール、スリランカと各国のカレーを食べ歩いていると、ふと食べたくなるのが日本の老舗カレー。刺激的なカレーとは別物だが、懐かしく心地よく感じるのは、DNAに刷り込まれているからなのか。 「銀座スイス」は1947(昭和22)年創業の老舗洋食屋だが、「カツカレー発祥の店」として知られている。2022年2月に旧本店から目と鼻の先の新店に移転して、倍の広さになった店内はさらに居心地がよくなった。暑い夏の日にエアコンの利いた空間で、ゆったりカレーを食べるという幸せが味わえる。 移転して広くなった店内。銀座らしいレトロモダンなインテリア=撮影・熊野由佳銀座スイスでカツカレーが誕生したのは1948年。常連だった巨人軍の千葉茂選手が自分の好物のカツとカレーの両方を一気に食べたいと思いついたのが、「カレーライスにカツレツを乗っけてくれ!」だ。あまりにもおいしそうに食べる千葉氏の姿に、その後、正式なメ