ドイツの民主主義体制が、第2次世界大戦後最大の試練に直面している。右派ポピュリズムの波は、英国や米国に続き、ドイツの足下にも押し寄せた。 2017年9月24日に行われた連邦議会選挙では、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の得票率が前回の選挙に比べて2.7倍に増え、12.6%となった。排外思想を持つ極右政党が第3党となり、100人近い議員団を議会に送り込むのは、戦後初めてのことである。 有権者は、これまで大連立政権を組んでいた大政党を厳しく罰した。アンゲラ・メルケル首相が率いるキリスト教民主同盟、姉妹政党のキリスト教社会同盟(CDU・CSU)は、得票率を前回に比べて8.6ポイント減らした。1949年以来最低の得票率だ。 社会民主党(SPD)の得票率は、20.5%という第2次世界大戦後最も低い水準まで落ち込み、敗軍の将マルティン・シュルツ党首は、新政権に加わらず野に下る方針を明らかにし