ブラジルのルセフ大統領は、自分の後ろ盾となってきたルーラ前大統領を官房長官に任命する異例の人事を発表し、17日、就任式が行われました。しかしルーラ氏の任命を無効にするよう裁判所に求める申し立てが各地で相次ぎ、混乱が生じています。 ところが、ルーラ氏が石油公社を巡る汚職事件の捜査の対象となっていることから、反発した市民が首都ブラジリアの連邦地方裁判所に、ルーラ氏の任命を無効とする仮処分を求める申し立てを行いました。 連邦地方裁判所は「ルーラ氏が閣僚になれば、捜査機関などに不当に介入しかねない」と指摘して申し立てを認める決定を出しましたが、逆に連邦高等裁判所はブラジル政府の主張を認め、連邦地裁の決定を取り消しました。 ルーラ氏の任命を無効にするよう求める申し立ては、ほかに少なくとも2つの州の連邦地方裁判所に出されていて、ルーラ氏の官房長官就任を巡って混乱が生じています。